【SE】これから自分が人間として成長できるのだろうか？【30代前半】

職種：システムエンジニア
年齢：30代前半

私が過去に勤めていた会社はパッケージソフトウェアを自社開発している会社でした。大学卒業後間もなくして就職しましたが、私が入社当時で従業員数が10数名の規模の小さい会社であったため、社会人経験の乏しい私に対しても大きな期待を寄せてくれており、私としてもその期待に応えるべく粉骨砕身努力しました。

10年程勤めましたが、その成果もあってか従業員数も6倍近くまで拡大し、私自身もそれ相応の地位まで昇格致し、会社の中では核（コア）となるメンバとして上司から部下からも頼られるようになりました。

従業員が年々増えていく過程の中で、仲間が次々と去っていくのを見送ってきました。IT業界特有の拘束時間の長さに耐え切れず、というのが大きな理由でした。

大勢の人間が会社を辞めていくのを見送っていくうちに私の中である不安が芽生え始めました。前述した通り、私は会社の中である程度のポジションを築きあげ、中々長続きしない社員に比べて勤労年数は比較的に長いほうでしたので、多少天狗になっていました。

その一方で、会社を辞めていく人たちが英断を持って去っていくように見えはじめ、羨ましく思いだしました。時間の経過と共にその思いが大きな不安となっていきました。

自分はこの会社しか知らない、この会社から見える世界しか知らない、これから自分が人間として成長できるのだろうか？多少規模が大きくなったとは言えど、中小企業の規模の組織の中で天狗のまま、井の中の蛙で一生を終えてしまうのではないか？

システムエンジニアという立場ではありましたが、幸いにしてお客様との打ち合わせで全国を飛び回る機会もありましたが、然程大きな刺激を受ける機会にも恵まれず、不安が解消されることはありませんでした。

会社を辞める一番のデメリットはやはり収入が減ることでした。前述したとおりある程度のポジションに身を置いていたため、それなりの収入もありました。また、会社の体質や企業方針、人間関係に不満があったわけではない為、新天地での境遇に不安もありました。

色々な葛藤の中で悩んでいる私を後押ししてくれたのは妻でした。元来、家庭に仕事を持ち込まない性分だったため、妻に相談することは無かったのですが、家にいるときに元気が無いを私を心配する妻を見かねて相談した結果、最終的には妻の何があっても私についていく、という言葉が決め手となりました。

現在は1000人強の規模の会社に勤める機会に恵まれ、人間が多い分、色々な思考・思想の人間と仕事する機会にも恵まれ、色々な刺激を受け人間として一回り成長できたと思っています。

一方、以前の会社を退職するきっかけとなった「このままこの会社に居て人間として成長できるのだろうか」という不安が奢りであったことにも気付かされました。自分の見識や世界を広めたければ自分で切り拓かなければならない。若い自分はまだ他力本願で稚拙であったことに気付きました。

以前の会社を退職したことに後悔はしていないわけではありませんが、現在は以前の会社を辞めたことにより人間として成長できたことに確信を持っています。