【栄養士】誰にも聞こえないような声で厳しい言葉を言われたから、孤独しか感じませんでした【20代前半】

職種：病院の栄養士
年齢：20代前半

私が専門学校を卒業して初めて就職した会社での体験談です。病院の栄養士として就職したのですが、その年の新卒は私一人のみ。一緒に頑張ろうねとお互い支え合う同期もいなく、一人ぼっちから始まりました。

最初の１週間は色々な部署を回り、新人研修と題してその部署の仕事を手伝いました。皆さん優しく丁寧に教えてくれて、「ああ、いい会社に入ったな」と安心していたのです。そして全ての部署研修が終わり、最終的に病院全体の食事を取り仕切る厨房に来たわけです。

初日は私も緊張しながら自己紹介や挨拶をして回り、全員と言葉を交わしました。それから厨房の室長である管理栄養士の方について回りながら皆さんの仕事を見学しました。その日は説明で終わってあっという間でした。

問題は次の日からです。そこから地獄のような日々が始まりました。年配の調理師の女性が指示をしてくれて野菜を洗ったり、切ったりしました。

私が作業しているのをチラチラと監視しながら、しばらくしたら私の隣にピタッとついて誰にも聞こえないように耳元で言ったのです。「そんな程度の仕事でお給料もらえると思ったら甘いんだよ」

確かに皆さんに比べたら要領悪いし、スピードも遅いです。気になる点もけっこうあったでしょう。私もみんなに聞こえるように言われたら、こんな仕事で申し訳ない気持ちになったと思うのです。誰にも聞こえないような声で厳しい言葉を言われたから、孤独しか感じませんでした。

その場は何とか我慢してただ「頑張ります」と答えましたが、我慢の限界になったときにトイレにこもって声を押し殺しながら泣きました。

次の日はまた違う人から冷たい言葉を投げられて、私にはここで味方は一人もいないんだと思い知らされました。後１週間頑張ろう、後１ヶ月頑張ろうという感じで嵐が過ぎるのを耐えながら必死で仕事をしていたのを覚えています。

ある時衝撃的な現場を見て愕然としました。5つ年上の大人しそうな男性の調理師がいたのですが、その人は厨房の料理長にいつも怒鳴られている人でした。その人がいつものように料理長に怒鳴られて、蹴られて熱いスープをかけられていたのです。

それを見た私は目で覆いたくなるほどの恐怖とショックを受けました。そこまでの体罰のような現場を見たことがなかったので、新人だった私は心底「やめたい」と思った出来事です。

料理長は私には普段優しい方ですが、何かを教えてもらうときにも震えていたという記憶しかありません。