【出版】私たちが奴隷みたいに働いていて、社長の親族は働きもしないで役員待遇か、と思うと本当に情けなかった【20代後半】

職種：出版業
年齢：20代後半

昔から憧れていて好きだった仕事ですが、あまりの長時間労働の過酷さと薄給に限界でした。中途採用で入社しましたが、実は結構頻繁に募集をかけている会社で、過去に辞めていった人たちもおそらく同様の理由かと思います。

私が入社した当時はうつ病で病気休暇をとっている先輩もいました（結局退職）。契約社員として入社しましたが、期間の定めのない契約社員で、よくよく考えればそれもおかしな話です。

昇級なし、ボーナスなし、残業代一切なし。時期によってもばらつきがありますが、朝7時には出社、日付が変わった頃に自宅につく、休日ももちろん出勤、という日々が続くこともありました。

先輩が自虐的に「私たちの仕事、時給換算したら600円とか700円とかくらいなんだよ」と話していました。最低賃金に満たないです。

業界自体が裁量労働制をとっており、残業代が出ないのはまあ仕方ないとして、でも昇級のないわずかばかりの月給では本当に割りに合わないです。

しかもいつか税務署から会社に電話がかかってきて、「営業部長の何々さんはいますか」ということでしたが、一度も見たこともない社長の奥さん（娘さん？）の名前でした。

税金対策というのはわかりますが、私たちが奴隷みたいに働いていて、社長の親族は働きもしないで役員待遇か、と思うと本当に情けなかったです。

30歳をまぢかに控え、結婚のことも考えていた時期でした。具体的に結婚する予定がある、結婚したいという感じではなく、「もしこのまま結婚しなかったら、どうなるのか？」ということです。

一生上がらない薄給、休日も潰される長時間労働、退職金制度もなし、といった会社では、自分が40、50、60歳で未婚だった場合、とても生きていけないということをひしひしと実感しました。

友人と旅行に行くという話になっても、友人はたくさん稼いでいるので予算は潤沢にありますが、私に合わせてくれるため、国内旅行でも激安の学生みたいな貧乏旅行です。

お盆や年末年始のニュースで「ハワイに行ってきた」「ヨーロッパに行ってきた」という私と同い年くらいの女性のインタビューを見て、私はこのままでは一生海外旅行にさえ行けないと気がつくと、目の前が真っ暗になりました。

お金も時間もありません。旅行どころか、今住んでいる安いアパートから引っ越すことさえできないかもしれません。

30歳を過ぎると転職が難しくなると聞いていたので、思い切って、次の仕事が決まる前に退職しました。英断だったと思います。今ではお金に不自由なく、友人と海外旅行に行けています。