【飲食店】ひょっとしたら私がやったかもしれない、でも私じゃないかもしれない【20代前半】

職種：飲食店
年齢：20代前半

私は本来人事で人を育てる仕事がやりたくて入社したのですが、研修ということで現場に回されました。でも、現場を知る事も大事という研修担当の方からの言葉を聞いて、頑張ることにしました。

研修先での私の立場は社員ですが、基本的には店員と同じ目線になるということで、店長に従ってバイトの女の子と同じ仕事をしていました。

でも、最初はとても楽しかったんです。お客様の笑顔を間近で見る事ができるし、やっぱり「ありがとう、ご馳走様」って言われると、「ああこれがお客様の生の声なんだなぁ」って軽く感動したりもして。小さなお子様にハンバーグを運んだ時、「おいしそう、ありがとう！」って言われたときが、一番きらきらしていた思い出だった気がします。

でも、研修が始まって二週間ぐらい経ってから、「えっ」て思う出来事が増えました。それは幾つかありましたけど、一番ナニソレって思ったのは、レジの金額の誤差でした。

フロア担当ということで私はレジ打ちもしていたんですけど、たまに金額の合わない事があったんです。でもそれは何千円とかじゃなくて、何百円とか、時には１０円とか。もちろん、レジの誤差っていうのは金額の多い少ないじゃない、っていうのは分かってます。

でも、店長はそれを朝礼で「連帯責任だ」って言うんですよね。あの店長はほんと、事あるごとに「連帯責任」って言う人でした。レジは本来、入る人間ごとに認証コードがあって、それで金額を打った人間が分かるシステムだったんですけど、忙しい時間帯とかはそんな風に入れ替わる時間がなくて、実質は一人の名義をみんなで使いまわしているような状態だったんです。だから、誰が誤差を出したかなんて分からないんですよね。

「ひょっとしたら私がやったかもしれない、でも私じゃないかもしれない」そんな状況下で、店長はレジ誤差が出るたびに店員やバイトの子たちに「何故レジの金額に誤差が出るのか説明しろ」とか、「本当にやる気があるのか」とか、「やる気があるならレジ誤差は出ない」とかそんな事しか言わないんです。

そういう考え方に陥る事自体がおかしいのは分かってます。私は何度か上に掛け合って研修先を変えてもらえないかお願いしたのですが、一年間は絶対に現場経験を積まなければならないと頑固として言われ、それならと思い店長の言動について指摘したのですが新入社員が言うことじゃないなんて言われて…毎日こんなお説教が一年も続くぐらいなら、と辞めてしまいました。

今は、前の会社よりは小さいけれど事務と人事に携われる仕事に就いてます。ホント、あの店長の下に一年居るなんて事考えるとゾッとしちゃいます。