【医療】書面一つ持っていくのもお伺いの電話を立ててからなど、とにかく根回し根回し【20代後半】

職種：医療秘書
年齢：20代後半

もともと一般の会社で秘書をしていたのですが、20代後半にもなると人生の意義みたいなものをうっすらと考えはじめ、漠然と何か人の役に立つ仕事をしたいと思うようになり、間接的にでも人を助けることができる医療の現場で自分を生かせればと考え、病院のお医者さんの秘書に転職しました。

患者としてかかる以外は、お医者さんの世界は全くの未知でしたが、あまり深く考えずに転職してしまったのが運のつきだったと思います。仕事はかなり過酷で、一般の会社ではまかりとおらないような常識がまかり通ってしまうのが医者の世界です。

一般の会社で身に着けた礼儀も通用しないといっても過言ではありません。まさに白い巨塔のような独特の世界がありました。まず電話応対ですが、相手によっては、手術中でも一度はつながないといけないような相手もいて、経験値がないとわからず、（一般的にはそこまで無礼ではなくても）その方にとっては無礼な対応になってしまったということで叱られることも多々ありました。

また、先生の気分によっては、全くこちらの話を聞いてくれないときもあり、仕事も全く進まないときもありまた。これは人命を最優先にしている先生も人間なので、心と体のコンディションを整えるのに必死な時もあると理解できたので仕方ないとあきらめていた部分はあります。

また、他の科の秘書さんのしがらみや上下関係がかなりある仕事場だったので、書面一つ持っていくのもお伺いの電話を立ててからなど、とにかく根回し根回しで、何時代なんだ？と思うこともしばしばでした。

気難しい先生方や意地の悪いお局秘書さんも多々いましたので精神的にも気を遣いまくって疲れましたし、肉体的にも大変でした。先生の依頼で、数名分のカルテとCTやMR画像のフィルムを集めると台車で運んでもかなりの重さになり、かなりきつい思いをしました。

またほぼ毎日たくさんの手紙と医療雑誌が届き、それを離れた場所から部屋まで運ぶのも一苦労でした。残業はしたくなかったのでしたが、学会前は残業せざるを得ない環境でしたし、またその学会準備後の打ち上げのような飲み会にも多々参加しなければならず、生活環境もかなり悪化しそうになった時期もありました。

お医者さんたちは、夜勤当番もありますし、手術が長引けば帰れない状況も多々あるので、不規則な生活は当たり前だと思っているところがあるので、一般人の生活を理解していないのだと思います。

自分たちは、それでも高給で還元されているかもしれませんが、私たちのような事務職員の給料はたかがしれているので、さっさと家に帰って仕事の疲れを癒したいという気持ちだけでした。とにかく毎日心身共に過酷なことが多く、やめたい気持ちで一杯でした。