【秘書】穏便に済ませたいけれど1週間以内に給与振込がなければ、労基に相談に行きます【30代前半】

職種：秘書
年齢：30代前半

20代半ば、中小規模のシステム開発会社で、初めての社会人経験をした職場でした。初めは、事務や経理を覚えていきました。

わたしの担う仕事には、わたし以外のスタッフがいなかったので、すべて一人でこなしていたのですが、それまでわたしはフリーランスで、しかもまったくの異業種でしか仕事をしていなかったので「これがオフィスワークというものか！」と勘違いしてしまって、頼まれた仕事を自分なりに100%の出来でこなし続けていました。

そうして気付いたら、わたしは仕事の鬼になっていました。肩書きや担う仕事ばかりが増えて、お給料がまったく増えない、という負のスパイラルです。

経理と社長秘書をメインに仕事をしていたはずなのですが、いつの間にか企画や広報、営業補佐など、終電ギリギリまで働く日々が続きました。それでも賢くなかったわたしは「わたし、超頑張ってる！超頼りにされてる！」とまたも大きな勘違いをしてしまったのです。

お陰で、まったくシステムに無知なのに「クライアントの打ち合わせ」に参加して、知ったかぶりでなんとかその場を凌いだり、フレームワークの基礎を作ったり…一体ナニモノなの？というほどの肩書きばかり頂いて……とある日、爆発してしまいました。

社長のご機嫌が非常に悪かったのか、ちょうど決算報告が終わって一息ついた頃、横領を疑われたのです！！さすがに突然降って湧いた謎の疑惑を、社員さんの前で怒鳴るように咎められ、一気に頭の中が冷たくなりました。

はらわたは煮えくり返っていましたが、あまりにも頭にくると、人ってこんなに冷静になるものなのか、と思いました。怒鳴った社長に向かって一言、「それは社長、勘違いです。そうでない証拠を書類にして提出しますので失礼します」

と返し、あらゆる会計書類をかきあつめて分厚いファイルにして社長のデスクに置いて、おとなしくタイムカードを切って、翌日1本だけメールを送りました。「父が病で倒れ、面倒を見られる家族がいないので暫く実家に帰ることになりました。ご迷惑おかけ致します。」

今思えば、いわゆるブラック企業だったんですよね。わたしだけでなく、他の社員さんもさんざん大変な目に遭っていました。そういう社員さんが多かったので、社員同士の絆が深まってしまい、余計にみんな、○○さんが大変になるから辞められない。という、変な依存に陥っていた気がします。
更に社長は、何か頭にくると、物に当たる人だったそうです。（わたしは直接見たことはなかったのですが）

最終的に、「父ガー！」の理由のまま、メールで退職しましたが、給与未払いをされました。でも、良くも悪くも、あまりにいろんな肩書きを頂いていたので、会社が雇っていた社労士に即日「穏便に済ませたいけれど1週間以内に給与振込がなければ、労基に相談に行きます。」と連絡しつつ、社長には郵送証明で請求文を送って、無事、頂けるものだけ頂きました。

正直言って、この会社以来、本当に社会って怖い！て未だに思います。そして結局またフリーランスの仕事に戻りました。