【住宅メーカー】そういうのも仕事の１つだから。だから女性1人しか雇ってないんだよ。最初に言ったよね。【20代前半】

職種：営業事務
年齢：20代前半

私が若い時に勤めたある住宅メーカーでのことです。当時、募集に出ていたその会社に履歴書を持って面接に行きました。そこには店長と営業マンの２名がいて面接がスタートしました。

履歴書に一通り目を通してありきたりな質問はされましたが、後半は『お酒は飲めますか？』『男性ばかりの会社ですので、多少下ネタ的な会話が行き交う事もあるかもしれませんが、そういう事を笑って聞き流せますか？』などの普通の面接ではあり得ないような質問をされました。でも和気藹々とした空気で、お二人とも元気でノリがいいという感じでしたので嫌な気持ちにはなりませんでした。

そうして面接は終わり、次の日には合格の連絡を頂いていたと思います。

正直、制服もCAのように可愛く、会社も床が大理石の自社ビルというところに惹かれていて、営業事務にしてはお給料も良かったので私に取ってはラッキーと言う以外ありませんでした。新しい仕事や職場にも期待とやる気を感じていました。

この会社は支店長1人、営業マン５人、建築２名、営業事務1人という男性８名に対して女性1名で一つの支店が成り立っていました。同じフロアーにはもう一つの支店も入っていましたが、何と言っても圧倒的に女性が少ないのです。

どこの支店も８?１０名の男性のお手伝いを女性1人でやるのがスタイルでした。最初は仕事を覚えるのに必死で一生懸命頑張っていましたが、支店の方はみんなが優しくフォローしてくれたり声を掛けてくれて、本当にいい会社に就職出来たと思っていました。

そして月日が経ち仕事にも社員の方々にも慣れてくると仕事もより楽しく、毎日仕事に行くのが楽しくてしょうがなかったのを覚えています。

支店の皆が本当に仲がよく仕事が終わった人から順に近くの居酒屋で集まって、全員で飲むというのが日常になる程でした。でもその頃から問題が発生してきたのです。仲が良くなった故、あからさまに感情を表現してくる人もいて。

朝、支店の皆さんにお茶をいれて出すのですが、最初は支店長から、その後は営業マンと建築さんの年齢の上の方から出していました。そうしたら営業マンの１人が『なぜ俺に最初にお茶をだしてくれないの？○○の方が格好いいから贔屓してるの?？』と言ったのです。

その時は笑い話で終わりましたが、その後エスカレートして大変な事になるのです。支店長は営業マンに対して『特別視してほしかったら契約を取る事だ！』と平気で言います。契約をとると契約書というのを営業マンに変わって私が作ります。

そのためには営業マンと打ち合わせもありますので２人になる事だってあります。それを狙って頑張って契約を取ってくる営業マンもいましたが、わざとみんなが営業に出ていて私しか残っていない事務所に帰ってくる人もいました。

そして、その頃からお茶の件で私に注意をしてきたKさんの行動がおかしくなりました。私が朝出社すると私の机の上に自分の書いた４コマ漫画が置いてありました。その内容は、私と当時つき合っていた彼が死んで最終的に私とKが結婚する内容でした。

他の日には私のパソコンのディスクトップが、顔が私で体が卑猥な写真になってる事もありました。私はだんだんエスカレートする内容に笑えなくなっていました。

そしてある日、出社したらKさんの顔に殴られた跡が。訳を聞くと数日後に予定されていた社員旅行の時のバスの座席決めで私の隣に誰が座るかで殴り合いの喧嘩になったとか。Kさんは他の営業マンにもちょっといじられるキャラだったのです。

そして事件はおこりました。ある日、契約を取って来た方の準備を手伝っていましたら期限の悪そうなKさんが近づいて来て、何か怒鳴られました。（なんて言ったのか聞き取れないほどの怒鳴り声）それに対して私が『もういい加減にしてよ！』と言った瞬間、制服の襟を後ろから引っ張られ私はそこに倒れました。そのまま引きづられたと思います。

すぐに他の営業マンが助けに入ってくれましたが、私は恐怖で立ち上がる事もできませんでした。そのあとも仕事には戻らず車の中で号泣しました。

その日家に帰っても気持ちが晴れずに母親に泣きながら話したのを覚えています。母親からの言葉は『あなたも社会人なんだから、会社に迷惑かけないで明日からしっかり出社しなさい。』でした。その言葉通りに次の日に出社しましたが、社内の雰囲気は最悪だったことを覚えています。

Kからは謝罪はなく営業マンがいない時間帯に『絶対ゆるさないからな』と電話が入りました。その日の帰りに、車で信号待ちをしていたら、なんと車の前に現れて仁王立ちをされたのです。もう恐怖で凍り付きそうでした。

Kの行動の一部始終を支店長に話し、助けを求めましたが、そこで返ってきた返事にビックリです。『そういうのも仕事の１つだから。だから女性1人しか雇ってないんだよ。最初に言ったよね。』だったのです。

そして『もうここまで事態が大きくなったらしょうがないね。僕は営業マンを守らなきゃいけないから悪いけど君は○○付けで自主退社ということで』と言われたんです。

その時は頭が真っ白になりましたが、ばかばかしくなり○○を待たずに退職願いを出しました。その後他の支店の庶務の子に聞いたら、どの支店でも色恋的な問題はあるようです。雇われている女性は綺麗でノリがいいのが条件だとか。

そんな不埒な採用をする会社ですから、経営もハッタリ。私が辞めた数年後には全国版のニュースに『不渡りで倒産』と取り上げられていました。