【保険】ちゃんと仕事をこなせない社員など役立たず以外の何者でもないのです【20代前半】

職種：保険会社事務員
年齢：20代前半

入社する時は本社勤務の条件でしたが、いざ配属された先は郊外の営業所でした。

同期の噂ではかなり大変と聞いていたので、始めから少し心配でしたが、せっかくの就職難を乗り越えて入社した会社だったので、出来る限り頑張ろうと思っていました。

営業所には、事務員の先輩（女性）が1人と営業所長、副所長（両方男性）が一人づつ、他は４０名ほどの外交員の女性が在籍していました。実務は実際経験しながら覚えて、ということで、最初は先輩にぴったりくっつきながらノートをとり、覚えていくことになりました。

今時どこの職場でもそうだと思いますが、そこでもとにかく人が足りていませんでした。外交員の皆さんは朝礼に一度集まり、その後割と早い時間から外回りに出かける為、朝は色々な事務作業が一気に押し寄せ、かなり忙しくなります。

前日夜にお客様から回収した保険料の入金や個人情報の変更書類の用意、解約手続きの準備、その他色々。ノートを見返したり、家に帰って保険の勉強をしても、なかなか覚えることができません。金融の事務なので事務処理の種類も多く、入社から一ヶ月以上経っても、毎日見慣れない手続きが出てくる状態でした。

今思えば、一つ一つの処理が何の意味があって、どうしてその手続きが必要なのか。そういうことが理解できないまま、上っ面で時間に追われるまま処理をしている為、なかなか覚えられないのは当然でした。

わからない事を聞こうにも、先輩も自分の仕事をこなすのが先で、なかなか説明している時間がありません。

また、外交員達は歩合給ですので、一刻も早く外回りに出たいので、トロい新人を見る目は冷たいのです。彼女達にとっては新人であろうと事務員で、ちゃんと仕事をこなせない社員など役立たず以外の何者でもないのです。

私も何とかしようと事務マニュアルを見たり、本社に電話をしたりして、何とか解決しようと努力しましたが、それでも間に合わないことが多く、とても情けなかったです。

そして次第に私の仕事にはミスが増えて来ました。自分の中で理解できないまま、時間に追われながら丸暗記でやっているのですから当然といえば当然です。

周りの目が気になり、どんどん自分に自信を無くしていき、簡単な事務作業ですら失敗することが起きてきました。事務員がミスをすると、結果的にお客様に迷惑がかかり、外交員や所長が謝りに行く事になります。自分のミスの責任もとれないことが本当に辛く、まわりに申し訳なく、ますます萎縮して仕事に身が入らなくなる、の完全な悪循環でした。

今思えば、先輩やもう少し上の人にきちんと相談するべきでした。自分の仕事をどれだけ理解できていないか、手一杯になっているか。

でも当時の私は何がわからないかすらわかりませんでした。毎日仕事を辞めることばかり頭によぎり、食欲もなく、心療内科のお世話にもなりました。

結局この部署は数ヶ月で異動になりました。甘いとは思いますが、発令が出た時は心からホッとしたのを覚えています。