【音楽講師】自分はこの学校にいてもいなくてもどうでもいい存在なのだと惨めな思いになってしまい【30代前半】

職種：音楽講師
年齢：30代前半

私が仕事を辞めたいと思った時の話です。私は２０代半ばから某音楽専門学校でヴォーカル講師として働いています。この学校は自由な授業と環境をモットーとしており、そのためにあえて学校法人の資格を取っていません。しかし法人でない学校に親が２３０万近くの学費をポンと出す訳がなく、年を追う毎に生徒の数が減っていっている現状があります。

入った当時はそれでも生徒が１０人ぐらいいたのですが、今ではたった２人だけ。しかも先生は同じ学科に３人もいるのでおのずと授業数は減り、今では若干先生間での生徒を取り合うようななんとも情けない状況になっています。　

私は時間契約の講師なので授業がなければ仕事はありません、また授業も生徒が好きな先生のコマをとるというシステムになっているので生徒の機嫌をそこねると仕事が全く入らなくなるのです。また私は３人の先生の中で一番下っ端なので必修の授業をほとんどもらえず、ポツリポツリと落ちてくる誰もやりたがらないおこぼれ的なレッスンを必死につかんで何とか体裁を保っています。

それでも音楽で仕事があることは非常に感謝な事なので、いつかは自分の時がくると信じ忍耐して耐えていました。その甲斐あって去年新入生の必修科目を１学期限定で担当させてもらう事になり、生徒に喜んでもらえるような良い授業をしようと意気込んでそれに望みました

１学期の間は生徒とも良い関係を築く事が出来、楽しく授業をして終える事ができました。この分だと２学期も私の授業を選んでくれるだろうと期待し、２学期を楽しみにしていました。

しかし２学期になって２人の生徒は全く私の授業に来ないのです。しかも任意で誰でも自由に出入りできるレッスンを私がやっている間に（このコマは必修ではありません）、隣で２人の生徒は楽しく笑いながら話しており、私の授業に見向きもしなくなったのです。

あんなに１学期は楽しくやっていたのに何故来てくれないのかと非常にショックを受けました。その後よくよく話を聞いてみると２人の生徒は他の先生に傾倒するようになったことを知りました。その先生は東京でメジャーデビューした経験があり、業界ともつながりがある名のある先生でした。

私は地元で細々と活動しているような名の無いミュージシャンです。その先生に比べれは見栄えのする経歴はほとんどありません。私は生徒を上手にする自信もノウハウもあると自負していますが、これにはかないません。この出来事があった後、自分はこの学校にいてもいなくてもどうでもいい存在なのだと惨めな思いになってしまい、本気でこの学校を辞めようと考えました。

しかしこれは自分の力不足が原因であり、２人の生徒がした選択は当然であると思い直すようになり。まだこれから挽回できると自分を鼓舞しまだこの学校に在籍しています。

今はそんな自分でも置いてくれる学校に感謝しています、見ている人は頑張りを見ててくれるのでそれが本当に救いです。