【アパレル】担当者が適当なところには不良品を混ぜて納品するというのが本当に嫌【20代前半】

職種：アパレル関係
年齢：20代前半

当時私が勤めていたのは、バッグの卸しをしている会社でした。社員は、社長夫妻と滅多に帰ってこない営業が一人、パシリ(と実際に社長が呼ぶ)の新入社員さんが一人、そして派遣社員で入ったはずがアルバイトとして扱われていた私たち三人です。

とにかく嘘が多い会社でした。社長は商品の買い付けに行きますが、基本的に取り扱っているのは、偽物やB級品。それを口八丁手八丁で適当に売りつけて帰ってきます。

地方の衣料品も扱うようなスーパーへ、まるで正規品のようにタグを作って納品していました。素人さんにはわからないような小さなシミやホツレのある商品は、そういった小さな納品先には5個に一個の割合で、混ぜて納品するように言われていました。

大手デパートなどには一切の不良品入れず(当たり前ですが)、弱いところや担当者が適当なところには不良品を混ぜて納品するというのが本当に嫌でした。

ほかにも嫌なところはありました。まずは商品保管。カバンを保管しているにもかかわらず、保管庫は結露がひどく、換気はほぼできない状態。当然冬はカバンがカビてしまいます。そうなると普通は破棄か製造元に返品するのですが、ここはちがいました。

適当な雑巾でちょちょっと拭いてぱっと見が綺麗になったら、出荷していました。きちんとしたカビケアをしているわけではないので、買ったころには当然カビがはえてきます。カバン屋として最低だと思いました。

ほかにも新入社員さんを「パシリ」と当たり前のように呼び、私たちにもそう呼ぶように言われました。勤務外のサービス残業は当然のようにやらされ、社長の自宅の掃除までさせられていたようです。

私たちも最初は契約社員や派遣社員として入社したはずだったのですが、入ってみるとアルバイト扱いでした。有給なし、交通費なし、社会保険などの手当てもなしということで最初の条件から比べると、給与面だけで5～6万円くらいダウンしていました。有給がないのも想定外でした。

しかし社内の様子を見ていて、それを指摘して社員になろうとは思えませんでした。無駄にコキ使われるくらいならアルバイトのままで適当にやめようと思いました。

ハローワークに紹介されて行ったので、そこに相談してもう一人のアルバイトの人と同時にやめましたが、それはそれはもめました。一応一年は働いたのですが、身についたことは不良品をうまく潜り込ませる方法だけでした。あの会社のおかげで、バッグを買うときはしっかりすみまで見るようになりました。