【飲食店】店舗経営が難しいと言いながら、どうして職務中にテレビを観るのでしょう【30代前半】

職種：飲食店（カフェ）
年齢：30代前半

当時の私は、自分なりの独立・起業を考えておりました。自分の得意分野で、比較的小資本で可能なビジネスです。そんな時、最寄り駅近くにカフェがオープンしました。手作りのスウィーツとドリンクを中心とした店です。小規模な個人経営で、ご夫婦と女性スタッフ（アルバイト）が働いておりました。

自分が考えているスタイルと似ておりましたので、何度かお茶を飲みに行き、手作りのスウィーツを食べました。（私自身のことも少し覚えてもらったようでした）

私は思い切って事情を説明し、「独立の意志があるので働かせてほしい」と伝えました。オーナーの承諾を得て、私は働かせてもらうことになりました。

私自身からお願いしたことなので、自分は相当の覚悟で働きました。修行や下積みのつもりですから、生活が成り立たないほどの収入です。足りない分は貯金の取り崩しをいたしました。

オープニングとほぼ同時なので、調理場はもちろん店内の掃除、接客・皿洗い・品出し、配達など何でもやりました。これらは「自分自身のため」と言い聞かせて働きました。

職人仕事は、（仕事）が出来るようにならなければ対等に扱われません。また「出来ません・NO」という返事もできません。自分自身も承知しておりましたので、一生懸命耐えました。

しばらくすると、ご主人から「今月だめだったら商売は終わりだな」と打ち明けられました。翌月も言われました。確かに厳しい状況だと私も思っておりました。

しかし同時におかしな状況になりました。ご主人の出勤時刻がだんだん遅くなるのです。開店ギリギリに出勤してくるようになりました。それから職場にテレビを持ち込みました。野球中継（ナイター）がどうしても見たいというのです。

しかし案の定、日中もテレビはつけっぱなしです。店舗経営が難しいと言いながら、どうして職務中にテレビを観るのでしょう。言っていることとやっていることが反対で、さすがに私は呆れました。「これ以上、学ぶことはない」と私は思いました。

この経験はその後、自分の働き方の反面教師（教訓）となりました。やはり仕事に打ち込み、自分に対して恥ずかしくない働き方をしなくてはいけないと思いました。

最後になりますが、現在このカフェは閉店いたしました。閉店の理由は正確には分かりません。しかし、あの時の状況を思い起こすと、なんとなく納得できる気がいたします。この記事をお読みくださる皆様の、何かの参考にして頂ければ幸いです。ご一読ありがとうございました。