【工場】次の瞬間には手の痛みに耐えられず叫んでいる自分がいた。僕の左手が、機械に巻き込まれていた。【20代前半】

職種：工場
年齢：20代前半

18歳で高校を卒業し、「大学に行きたくない」というのが理由でなんとなく選んだのが工場勤務だった。最初は、なにもかもが新しいことばかりだったので大変だけど新鮮な気持ちで毎日が過ぎていった。

ただし、楽しいと感じるのは同僚や先輩との会話や夜終わってから遊びに行くことで仕事事態を楽しいと感じたことは一度も無かった。

そうこうしているうちに、会社事態が景気が良いこともあり創立何年だかの記念にとかなり高い目標が掲げられていた。僕が働いて２年が経過した頃だ。

もちろん目標が高くなったということは、仕事量も必然に増えていき、いつのまにか残業時間が100時間を超えていた。幸い、残業代はしっかり払ってくれる会社だったが本当に仕事意外の記憶がないくらい仕事をした。

工場の、良くもあり悪くもあることが何も考えなくても仕事が出来てしまうということだ。ある意味オートモードの自分が、勝手に仕事をしてくれているようなもの。週６日働き、毎日毎日ただただ仕事をした。

そんなある日、完全にオートモードの僕は何も考えずにいつも通り仕事をしていた。すると、機械が「ガコッ」という音とともに急停止した。

何が起こったか一瞬分からなかったが、次の瞬間には手の痛みに耐えられず叫んでいる自分がいた。僕の左手が、機械に巻き込まれていた。本当に単純なミス。機械に付いていたゴミをちょっと弾こうと本来は停止してやるべき業務を、機械運転中にやってしまった。

そして、救急車で運ばれた僕は、緊急手術を受け入院することになった。幸い、若干の変形はあったものの元通りに戻すことが出来た。

長い入院生活の中で、自分と仕事に関して考える時間が出来た。今回の事故は自分が悪いけど、もしこれで手がなくなっていたら後悔しなかったか？工場で働くことに納得してるのか。始めて自分自身に問いかけた。

答えは、完全にNOだった。工場の最大の利点は、何も考えず仕事が出来、安定した給料が貰える。僕にとってはこの２点だった。しかし、一日の半分を仕事と言う時間に費やしているのに僕は「楽しい」と感じていなかったし、「やりがい」も感じていなかった。

それをはっきりと感じた時に、僕はこの仕事をするべきではない少なくとも若い今だからこそ挑戦出来るしやりたいことをやろうと決めた。

この先定年退職を迎えるまでずっと働き続けることになる。まだまだ先は長いし、やりたくない仕事でもやらなくちゃ行けない日が来るかもしれない。自分で選べる今は、自分で選ぼうと思う。