【映像制作】世間知らずな若者ばかりを選んで社員に採用していたのではないか【20代前半】

職種：映像制作会社
年齢：20代前半

大学を出て初めて就職した会社をやめたいと思いました。当時も就職氷河期で、拾ってもらえただけでもありがたいと最初は思っていたのですが、勤め始めてすぐ気づいたのが「この会社、ブラックかも…」でした。

新入社員は私を含めて４人に対し、先輩社員は一年先に入社していた人が一人、あと社長だけでした。先輩社員がこっそり教えてくれましたが、なんと社長も社長になったばかりで、前社長が高齢のために引退し、今の社長が就任したと同時に一緒に働いていた社員が次々と辞めて行ったそうです。

つまり社長の人望がなさすぎたのでした。先輩社員も辞めようとしたのですが、給料アップで引き止められたそうです。それでもやっぱり辞めたいので、こっそり就職活動をしていると言っていました。

そんなに社長は人望がないのか、何が問題なのだろうと最初はわからなかったのですが、勤めていくうちに少しずつわかってきました。まず勤務時間は９時から６時まで、と聞いていたのですが社長が帰らないと帰れない空気があり結局夜の９時くらいまでは平気で仕事しています。

また昼休みも自由に取れず、これまた社長と一緒にコンビニか弁当屋へ行って一緒にテーブルを囲んで食べる暗黙のルールがありました。

帰国子女というのが自慢の社長の性格も問題でした。底意地が悪いのか、社員がミスするといつまでもねちねち嫌みを言い続けます。さらに気分屋で、機嫌が悪いとその日は最悪でした。

なんだか変な会社だなあと思っていたら、さらにおかしなことがわかりました。なんと社長より偉いのが、定期的に映像発注してくれる取り引き先の社員さんだったのです。

どうやらその社員さんと社長が共同でこの会社を経営しているようで、発言権があるのは社長よりも年上の取り引き先の社員だったのです。おかしいなあと思いつつも、会社員二年目の先輩社員と大学出たての新入社員ではどうすることもできません。

これが世に言う「キックバック」的な関係なのだと後で知りましたが、世間知らずとは恐ろしいものです。悪意のある考え方をすれば、世間知らずな若者ばかりを選んで社員に採用していたのではないかと思います。

給料も、「年棒制だから」というよく分からない理由でボーナスも構成年金も払ってもらえませんでした。そのうち取り引き先の経営悪化に伴い、仕事の発注がなくなるとすぐに給料の不払いが発生しました。あっという間に倒産です。もっと早く辞めていれば…と思いました。