【司法書士】残業代を払う金はない【20代後半】

年齢：20代後半
職種：司法書士補助者

まず、個人事業者の司法書士事務所は福利厚生の部分が不十分です。年次有給休暇が法定では一般職（週５日以上出勤、月３０時間以上労働）の基準を満たしている場合、３年半で１年間に１４日付与しなければならないところを実際は１２日しかありませんでした。

しかも勤続年数にかかわらず１２日です。さらに通常、年次有給休暇請求権の時効は２年間なのに対し実際は１年以内に請求しないとすべて消滅していました。法律を扱う事業所なのに労働基準法を軽く考えていました。

もっと根本的なことを言うと、就業規則がありません。従業員１０人以下の事業所なので労働基準監督署に提出する義務はないのですが、年次有給休暇の件も口頭で言われているだけなので文書で確認できないことは非常に不安が残ります。

一番不満だったのは仕事の割り振り方が不公平だったことです。事業主（司法書士）が顧客から依頼された仕事を補助者に割り振るのですが、わたしを含めて２人いる補助者のうち８０％はわたしにまわってきました。

わたしは司法書士の書類を作成する仕事のほかに土地家屋調査士からの専門の仕事も頼まれているので法務局や市町村役場、ハウスメーカーなど半日は外出していて実質事務所内で書類を作成する時間はほとんどとれません。

そんな状況にもかかわらず「（もう一人の補助者である）○○さんは忙しいからあなたにお願いする」と言われます。そんな言われ方をしたら断れるわけもなく、ましてや顧客の前なので余計強気な態度もできず結局引き受けてしまうのです。

実際もう一人の補助者は長期的な案件を処理しているので短期的な案件を処理しているわたしより忙しさの波がゆるやかです。要するに今現在どちらがどれだけの仕事量をこなしているかわかっていないのです。

そんな状態なのですがわたしが残業をしていると「残業代を払う金はない」と定時で帰らせようとします。仕方がないので朝は始業の１時間前に出勤して仕事をし、１時間あるはずの昼休みも昼食を急いで食べて残りの３０～４０分は事務所番も兼ねて仕事をしました。

厳密に言うとこれも時間外労働なので手当ては発生するはずなのですがそんなことをしている人はこの事務所ではわたしが初めてのようでまったく誰にも触れられませんでした。

これだけ忙しくてもお給料はあまり上がりませんでした。日給月給制のため休日が多い月は仕事も進まないしお給料は少ないしでさんざんでした。試しに１年間ほど自分のこなした仕事の１ヶ月の売り上げを計算した時期がありました。

１ヶ月の平均で自分の給料の６～７倍ありました。ある月は自分の給料の１０倍以上の売り上げを上げた月もありました。ボーナスの査定もあってないようなものなので自分の評価がわからなくなって仕事を辞めたくなることがたくさんありました。