【飲食】退社することによって損失を被るから、その分を補てんしろ【20代後半】

年齢：20代後半
職種：飲食業

私は小さい時から「料理人」になる事を夢としてきました。その為、高校は商業系の高校に通い料理の専門学校に進学しました。その後、無事に調理師免許を取得し料理人として働き始めたのですが、夢が叶った（まだまだ途中ではあるが）という喜びもあり日々がむしゃらに働いていました。

飲食業の実態が非常に過酷な環境であることは知っていましたし、十分に覚悟した上で選んだ仕事だったこともあり「仕事時間が長い」、「休みが無い」と言った事に対してあまり不満に思うという事も無く約10年の月日が経ちました。

その間、いくつかの職場（ほぼ系列）を経験し多くの経験を積んできました。当然、それだけの期間を飲食業で働いてきたこともあり感覚的には労働環境が悪いことには慣れていたつもりだったのですが、ある会社に勤務していた際にはあまりの酷さに嫌気がさし転職することを決意しました。

その会社へ入社したのは私が27歳の時でした。それまで関わってきた会社とは違うところだったのですが、機会があってそこで働く事になったためです。私が入社した当時、その会社の正社員（役員除く）は100名ほどでした。

会社全体としてアルバイト・パートを含めると1000～1300名程度のスタッフが働いており、大きくは無いながらも決して小さな会社ではありませんでした。最近、某牛丼チェーン店が「ワンオペ」で問題になりましたが、その会社の労働環境はひどいものでした。

過去に、1日の労働時間が15時間超、休みなし、月間労働時間550時間と言う経験をしたこともあったのですが、その環境は特殊であり、特定の理由があっての事でした。私としてもやりがいや満足感を持ってやっていたため、大変ながらも嫌だと思うことは無かったのですが、今回入社した会社はそのような環境で働く事が「当たり前」と言った環境でした。

私が入社した際、これまでの経験を評価して頂いたのか入社時点で「店長」と言う役職だったのですが、役職手当を貰っていたこともありそれだけ働いても残業代は一切支給されませんでした。給料は基本給が約10万円、そこに役職手当が12万円、その他手当などを含めて総支給が約27万円程です。新卒でこの給料であればそれなりに満足できたかもしれませんが、環境から考えると非常に安い給料で多くの労働力を提供する事になっていました。

また、休憩時間は最低2時間取るようにと指示されていましたが、それはあくまで「タイムカード上はその時間以上を休憩扱いにしろ」と言うものであり、実質的に休憩できた時間は長くて1時間でした。基本的には食事を含めて30分ほどしか休むことが出来ませんでした。と言うのも、各店舗にはマネージャーが常駐もしくは巡回しており、休憩を取る予定や報告をマネージャーに行う事が必須でした。

そして、その時間を使ってミーティングなどを行う為、実質的に休める時間はその位になっていたと言う訳です。更に、帰宅時間に関しても強制残業状態でした。私個人としては、遅くとの24時には十分に退社できるように仕事をしていたのですが、毎日2時～3時まで残業することを強要されていました。当然、タイムカード上は22時頃には退社している扱いにしています。特にやることが無いと言う状況であっても、多店舗のマネジメントの手伝いであったり、掃除や修繕など必要性の低いものを理由にされることは日常茶飯事でした。

確かに、人によっては毎日その時間まで残業しても自分の仕事が終わらないと言うこともあると思います。しかし、紛いなりにも中間管理職として扱っているのであれば、少なくとも仕事を強制される状況はおかしいと言う思いから、わずか1年半ほどで退社することにしました。

その際にも、「離職証明は出さない」、「退職金は出さない」と言われたどころか、「退社することによって損失を被るから、その分を補てんしろ」とまで言われました。法的に私が勝つだろうことはわかっていたため、完全に争う覚悟でいなければ退職すら難しいと思います。

実際、入社してみないと分からない事が多いとは思いますが、中にはこのような会社もあると言うことを理解し、いわゆる「ブラック企業」に対しては毅然とした態度で臨むことが大切だと思いますので、同じような状況に居る方は是非頑張ってほしいと思います。