【経理】私は経理事務担当として採用されたはずで、営業職は希望していない【20代後半】

職種：経理事務
年齢：20代後半

私は自宅近くにある県立高等学校を卒業し、地元で従業員が３００名を超える金融会社に就職しました。両親や学校の先生もしっかりした会社に就職出来たことを本当に喜んでくれ、私自身も未来に向けて希望を膨らませて入社しました。

当時はバブル景気前で会社も経営状況が順調で、仕事も余裕を持ってこなすことが出来ました。社員同士も非常に仲が良く、毎年の社員旅行などもほぼ全員が参加していました。その後、バブル景気は崩壊し、日本経済は右肩下がりとなりました。

当社内でも大胆なリストラが行われて多くの先輩や同僚が職場を辞めてしまいました。また、関連会社への出向も多くなり、社員間同士の雰囲気も最悪となりました。会社の経営方針が大幅に改善されて、上司からは売上アップに全社員が貢献するように、高いノルマが設定されました。

今まで経験のない飛び込み営業も経験、毎月末に１か月の営業成績に係る厳しい総括が行われました。内心では、「私は経理事務担当として採用されたはずで、営業職は希望していない」と憤りを感じて、何度も会社のトイレや自宅で泣きました。

このような状況なので、もちろん、超過勤務や休日出勤も多くなりました。手当が全額支給されれば、まだ納得出来るのですが、支給額は３割程度で残りはサービス残業等の扱いとなりました。

営業ノルマを達成するために、上司の席の横に立たされて長時間、叱責されることも度々でした。しかし、他の職員も日替わりで叱責されるので、いつの間にか精神的にもおかしくなり、最終的には会社幹部にマインドコントロールされてしまい、「会社の売り上げに貢献できない自分で駄目な人間で本当に申し訳ない」という気持ちで頭の中が一杯になりました。

このようなことを続けていると、食欲もなく自宅に帰っても仕事のことが頭から離れず、夜も睡眠不足の日々が続いて最終的に自宅で倒れ、急きょ入院しました。入院中に会社の上司が見舞いに来ましたが、「今回の入院の原因は会社ではない」と釘を打って帰って行きました。

私は、この時に「この会社の言い成りになっていると最後は体調を壊して死んでしまうんじゃないのか」と実感し、初めて仕事を辞めたいと心から決意しました。知り合いの紹介で弁護士を依頼して、会社との交渉にも立ちあってもらい、会社とは円満退社することが出来ました。その後は、知り合いの紹介で良き職場に恵まれて再就職することが出来ました。