【製造業】プラスの価値を作り出すのではなくマイナスをゼロに戻すだけの仕事だった【20代後半】

職種：製造業技術職
年齢：20代後半

私は、２９歳のときに、それまで８年間勤めた会社を辞めました。辞めた主な理由は、仕事内容に対する不満です。職場の人間関係などは、特に不満はありませんでした。同僚とは特別親しくすることもなかったですが、仲が悪かったりとか、そういうことはありませんでした。

私は、クレーム対応の仕事をしていました。簡単な内容の説明としては、自社の製造現場で、製品を作る際に使用する部品について、欠陥品があった場合に、その欠陥の是正対応をする、というものでした。

使用する部品は、外注業者にて製造、自社に納入され、製造ラインで使用する、という流れになります。つまり、外注業者が作った部品に欠陥が見つかった際に、私がその欠陥の是正措置をとる、ということです。

入社した当初は、与えられた仕事だからと、一生懸命仕事をこなしました。しかし数年仕事を続けていくうちに、業務内容に不満を抱くようになりました。大きな不満としては、３つあります。

1）達成感がないことに対する不満
2）自分が作った部品でないのに、自分がクレームを受け付けることに対する不満
3）終わりが見えないことに対する不満

です。

1）については、もともとクレーム処理というネガティブな業務内容のため、問題を解決しても、やり遂げたという達成感を味わえなかったのです。

誰からも褒められず、文句ばかり言われ、製造現場からは嫌われ、プラスの価値を作り出すのではなくマイナスをゼロに戻すだけの仕事だったためです。いくら仕事をこなしても、うれしくも何ともありませんでした。

2）については、まあ、なぜ他の人の仕事の失敗に対して、自分が責任を負わなければいけないのか、ということです。自分が仕事でミスをして責められるならいいのです。悔しい思いをしたり、次頑張ろうという気持になったりするわけですから。

しかし他人の、しかも他社の仕事の不具合に対して、批判の矛先が自分に集中することに、どうしても納得できませんでした。それをちゃんとさせるのが仕事だ、といえば確かにそうですが、私が相手にする外注業者は何十社とありますし、そうそう頻繁に行って様子を見れるわけでもありません。そもそも無理があるというものです。

3）については、私が会社を辞めることを決めた、いってみればとどめのようなものでした。人は誰しもミスをします。どんなに気をつけても、長い間仕事をしていれば、必ず、しかも一度ならずミスをします。

それはつまり、欠陥品も決してなくならないことを意味します。何度クレーム対応をして、問題を是正しても、すぐまた違う問題が発生します。一度解決したはずの問題が再び発生することもあります。こうしたネガティブな業務内容を延々と続けることに、本当に疲れ果ててしまいました。

このような理由から、辞表を提出したわけです。私は今、自らがモノを作る仕事に転職しました。ミスがあったらすべて自分のせい。うまく作れたら嬉しいですし、自分を誇らしくも思えます。今では仕事を変えて本当によかったと思っています。