【工場】働く事自体が嫌で自分に負けた【20代後半】

年齢：20代後半
職種：派遣　（工場勤務）

ギャンブルに溺れ大学を中退し、数年間パチンコ生活をしていましたが、常にカツカツの生活を送っていました。パチンコ生活に見切りをつけ働こうと思いましたが、バイトや就職活動の経験すらない自分が社員で雇ってもらえるような事はありえないと思っていたので、派遣会社の面接に行きました。

面接に行ってまず驚いたのは、職歴もなく履歴書をひと目見ただけでダメ人間と分かるような自分であっても、すぐに話が決まった事です。地元から遠く離れた県の工場で働く事が決まりましたが、面接→県外に赴任→入寮→工場で働くまでの期間が1週間もなかった事にも驚きました。

派遣の同僚達は、ギャンブル好きが多く、パチンコ話ですぐに仲良くなり、休みの日は朝から一緒にパチンコ屋に行き、お金の貸し借りも頻繁にするようになりました。働き始めて3カ月後に、3万円を貸していた同僚が、ブッチギリ同然で仕事を辞め音信不通になりました。

その人は他の人達からも借りていて、計10万円もの借金を踏み倒したのです。社員さんとその事について話した事がありますが、そういう派遣の人達のトラブルはよくあると聞かされました。

辞めたいと思った一番の理由は、いくら頑張ってもそこの工場の社員になる事が難しいと分かった事です。求人雑誌に書いてあった「社員登用あり」という意味を勘違いしていたのです。求人雑誌に書かれていた社員登用とは派遣会社の社員という事だったのです。

派遣の人達は、ほとんどが県外から来ている人達でしたが、地元の人も数人いて、そこの工場で中途社員の募集をしていたので、試験を受けたいと派遣会社に相談した時に、中途採用で受かった場合は、派遣会社を辞めて工場からの直接雇用になるので、派遣会社の取り分が減るという理由で遠まわしに反対されたそうです。

本来ならば、勤めている会社の社員になるという事は喜ばしい事であって、他の派遣の人達の希望にもなると思っていたので意外でした。

休憩時間は、社員さん達は社員さん同士で、派遣は派遣同士で固まって休憩していましたが、同年代で家庭を持ち子供の話をしている社員さん達と、休み時間もギャンブルの話ばかりの派遣の人達との会話の差を感じました。

また派遣会社借り上げのアパートに住んでいましたが、ゴミ出しのルールを破る人が多く、ゴミ捨て場にはいつも当たり前のような文言の注意書きが張られていました。私は次第に派遣の同僚達が嫌に思えるようになったのです。ある意味自分を見ているようでした。

半年で期間満了が来て、雇用期間を延長できると言われましたが辞めましたが、今思うと、辞めた一番の原因は、働く事自体が嫌で自分に負けたのだと思います。派遣の人達でも目標を持ち、日々頑張ってお金を貯めている人達もいたのです。